夏至を越え夕方に聞こえてくるのは蛙から虫の声に変わりました。
前回に続き梅雨の合間の晴れに恵まれ、暑からず寒からず、水中も22℃もあって快適です。シークロップのお隣は長らく空き家だったのですが新しい方が越されてくるらしく一生懸命草取りをなさっていらっしゃいました。賑やかになるといいですね。
海中もどんどん生物が増えていますので7月には更に楽しめそうです。



アカシマシラヒゲエビ

こちらが近づくと穴から出てきてくれるのですが汚い手袋でもきれいな手のどちらを出してもヒゲでツンツンだけでクリーニングまではしてくれません。もう少しで手乗りなのになあ。



コブダイ幼魚

タキベラがいるというので新漁礁の回りを探しましたが見つからずコブダイの幼魚だけでした。そういえば馴れ馴れしいコブダイがいなくなってしまったようでカメラの前に割り込んだりしてむっとしましたがいないと寂しいですね。



ニラミギンポ

多分越冬したと思う子が松根にいてそちらは泳ぎまくっていましたがカロウ根のこの子は巣篭もり中の母鳥みたいに海藻の上でじっとしていました。



トサケボリ

見たのは2回目になるバニーちゃんです。2個体ともピントが甘いのでもう一度撮って、殻になるのを待ちましょう。



アマミスズメダイ幼魚

カロウ根のキビレ君はいなくなってしまいましたが新しく来てくれたアマミスズメダイはまだいてくれました。スズメダイ(幼魚)やベラはまず見てきれい、そのくせ撮るのが難しくのめりこんでしまい、最後に画像を見て長嘆息してがっかりという自虐な所もツボでやめられません。
この子を見ているとぱっと泳いでエサをとって元の位置に戻ると、こっちを見てまた動くという繰り返しで半野良猫が人を窺いつつもくれた餌を食べるみたいでまあなんとも可愛いですね。



スジオテンジクダイ

いままでキンセンイシモチと呼ばれていた魚の標準和名がスジオテンジクダイとキンセンイシモチに分かれました。
もうご存知の方には耳にイシモチ、違った耳にタコですが、この魚には体側一番下を通る縦帯が点々の「ドット型」と点々でなく連続する「ライン型」の2種類が知られていましたがドット型が「スジオテンジクダイ」に、ライン型が「キンセンイシモチ」という2種類の魚に分類されたことによります。大雑把にはキンセンイシモチは南方系、スジオテンジクダイは温帯系の魚で、両者を区別するには「点々」のほかに体色金色の帯が尾鰭まで1本通っているのがスジオテンジクダイ、そうでないのがキンセンイシモチです。画像でも縦帯の点々と手前の個体の尾鰭まで通じる金色の帯が見えるかと思います。
坂田ではどこでもいる魚の1つですが南方型であるキンセンイシモチは見たことがありません、伊豆では両方見られるそうなのでもし見られたら叫んじゃうでしょうね、きっと。
一方、2003年に2種類に分類しようという報告があってから実に10年がたっています。「違う魚」ということは「違う」ということなので交雑もしない独立した種だという定義するのはさぞかし大変なのだろうと苦労話が聞けたり読めたりできたらとも思うのです。

これでお終いです。ありがとうございました。

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